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ジョセ・ヴァン・ダムは、現在最も有名で人気の高いバス・バリトン歌手である。パリ・オペラ座で〈トロヤの人びと〉でデビューして以来、世界各地の主要な歌劇場や音楽祭に定期的に招かれている。(パリ・オペラ座、コヴェントガーデン王立歌劇場、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、ドイツ・ベルリン歌劇場、メトロポリタン歌劇場、ブエノスアイレスのテアトロ・コロン、ザルツブルク音楽祭、エクスアンプロヴァンスおよびオランジュの音楽祭、日本のサイトウ・キネン・フェスティバルなどである)。

古典的な作品から現代作品まで幅広く情熱を傾け、オペラのレパートリーとしては、つぎのような作品が挙げられる。〈ファルスタッフ〉〈シモン・ボッカネグラ〉〈ドン・カルロス〉(フェリペ2世)〈ドン・ジョヴァンニ〉〈ホフマン物語〉(4人の悪役)〈ボリス・ゴドゥノフ)〈ニュルンベルクのマイスタージンガー〉〈パルジファル〉(アンフォルタス)〈さまよえるオランダ人〉〈サロメ〉(ヨカナーン)〈ファウスト〉(メフィスト)〈ファウストの劫罰〉〈ペレアスとメリザンド〉(ゴロー)〈ウィリアム・テル〉〈ヴォツェック〉〈トスカ〉(スカルピア)〈ジャンニ・スキッキ〉〈イタリアのトルコ人〉(セリム)などである。パリ・オペラ座におけるオリヴィエ・メシアンの〈アシジの聖フランチェスコ〉初演でタイトル・ロールを歌い、同作品がピーター・セラーズ演出によりザルツブルク音楽祭で上演された際にも、同じくタイトル・ロールを歌って絶賛を浴びた。

ジョセ・ヴァン・ダムは、コンサート、オラトリオ、リートの分野でも高い評価を受け、バッハ、モーツァルト、ヴェルディ、ブラームス、マーラー、ブルックナー、メンデルスゾーン、プーランクなど幅広いレパートリーを持っている。そしてカラヤン、アバド、ムーティ、ショルティ、レヴァイン、小澤、マゼール、デイヴィス、プラッソン、デュトワなど世界的な指揮者たちと共演も多く、彼らとともにレコーディングもおこなっている。

最近ではディスコグラフィがさらに充実し、〈ニュルンベルクのマイスタージンガー〉(サー・ゲオルグ・ショルティ指揮)、〈ファウスト〉(EMIフランス)、エネスコの〈オイディプス王〉(EMIフランス)、〈ペレアスとメリザンド〉(クラウディオ・アバド指揮、DG)、〈ドン・キホーテ〉(EMIフランス)などは、すべて重要な賞を受けている。

ベルギー・テレビ(RTBF)では、ジョセ・ヴァン・ダムを主人公にした「音楽の巨匠」という番組も制作された。また、ジョゼフ・ロージーの映画〈ドン・ジョヴァンニ〉ではレポレロを歌い、彼の〈冬の旅〉をもとにビデオも作られている(ディスク・フォルラーヌ)。

ベルリン市から、舞台やレコードにおける功績を讃えて、「宮廷歌手」の称号を贈られたほか、彼はつぎのような賞に輝いている。ドイツ音楽批評家賞(1974年) 、ベルギー・プレス・ゴールド・メダル(1976年)、フランス・アカデミー・ディスク・グラン・プリ(1979年)、アカデミー・リリック・フランセーズ、オルフェ・ドール(1980年)、ヨーロッパ批評家賞(1985年、パリにおける〈アシジの聖者フランチェスコ〉の歌唱に対して)、ディアパソン・ドールおよびヌーヴェル・アカデミー・ディスク賞(1993年)、アカデミー・リリック・フランセーズ、オルフェ・ドール(1994年)。

最近、ジョセ・ヴァン・ダムは、ベルギー国王アルベール2世から、名誉勲章を授与された。


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