内田光子はありのままの演奏家である。気品と音楽性に溢れ、その演奏は常に思考と心の絶妙なバランスを保っている。[シカゴ・トリビューン紙]
内田光子は、真実や美の探求を通して、奏でる音楽に対する深い洞察を聴き手に促す演奏家である。モーツァルトやシューベルトの解釈(コンサート、録音ともに)に定評があるほか、ベルク、シェーンベルク、ウェーベルン、ブーレーズも積極的にとりあげてその魅力を若い世代に伝えており、ピエール・ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団と録音したシェーンベルク《ピアノ協奏曲》は、『グラモフォン』誌の最優秀協奏曲賞をはじめ4つの賞に輝いている。この2年間はベートーヴェンの最後の3つのピアノ・ソナタを演奏会でとりあげており、『タイムズ』紙の音楽評論家ジョン・アリソンに、「ロンドンで今年もっとも魅了されたコンサート」と称賛されている。また、2005年3月にロイヤル・フェスティヴァル・ホールで演奏した《ハンマークラヴィア》は、『ガーディアン』紙の音楽評論家アンドリュー・クレメンツに「文句なしに感動的」と評された。
内田は世界中で演奏活動を行っており、さまざまな演奏家と共演している。現在はクリーヴランド管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスで、数シーズンにわたりモーツァルト作品をとりあげるすべてのコンサートで指揮・独奏を務めている。また、シカゴ交響楽団やニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団と定期的に共演しているほか、カーネギー・ホールでもソロ・室内楽リサイタルを定期的に開いている。2004/05年はカーネギー・ホールの「Perspective」シリーズにも登場した。
今シーズンはコンセルトヘボウの「Carte Blanche」シリーズに登場し、イアン・ボストリッジ、ハーゲン四重奏団、ヨーロッパ室内管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と共演したほか、シェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》でバルバラ・スコヴァとも共演している。これらのコンサートはフィルハーモニーホール(ケルン)およびバービカン・ホール(ロンドン)でもシリーズとしてとりあげられた。2006年1月にはザルツブルクでモーツァルト生誕250周年記念コンサートに出演し、リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共演したほか、ハーゲン四重奏団との共演やリサイタルも行っている。
内田はデッカと専属契約を結んでおり、モーツァルトのピアノ・ソナタ全集やピアノ協奏曲全集、シューベルトのピアノ・ソナタ全集、ドビュッシーの《12の練習曲》、ベートーヴェンの5つのピアノ協奏曲(指揮:クルト・ザンデルリンク)を録音しているほか、最近ではマーク・スタインバーグと組んでヴァイオリンとピアノのためのモーツァルト・ソナタ集、イアン・ボストリッジと組んで《美しき水車小屋の娘》(EMI)をリリースしている。
長年にわたり若い音楽家の育成も積極的に支援しており、ボルレッティ=ブイトーニ・トラストの理事を務めている。また、リチャード・グードとともにマルボロ音楽祭の音楽監督にも就任している。 |